赤ポッチが可愛い『Lenovo Thinkpad トラックポイント キーボード II(英語US)』の俺々レビューです。製品仕様等カタログ的な部分は公式や他サイトに任せて、プログラマー目線で率直な意見を書きました。結構細かいところに突っ込んでる辛口レビューです。
かれこれ10年ぐらい前は結構なトラックポインターだったので、IIが発売されたことをきっかけに購入してみました。15,000円ぐらいでしたが、マウスもついてくると考えれば結構コスパ高いのかもしれませんね。デザインは昔とあまり変わってない。IBMからLenovoに変わったこと以外は化石のように何も変わってないんじゃないだろうか・・・。
目次
製品仕様等
詳しくはメーカーのページを御覧ください。
ThinkPad トラックポイント キーボード II – 英語
他のキーボードとの違いは、やっぱりトラックポイント・マウス機能が付いていることでしょう。トラックポイントに慣れていれば別途外付けのマウスが必要ないというのは特筆すべき点ですね。
キーボード遍歴
参考までに私のキーボード遍歴を記載しておきます。
- HHKB Professional BT US配列
- Realforce for Mac US配列(APC・All30g)
- Razer Blackwidow Lite US配列 オレンジ軸
- Majestouch Minila-R Convertible US配列 静音赤軸
- Keychron K6 赤軸
打鍵感
ラップトップThinkpadのキーボードとほぼ変わらないです。他社ラップトップのキーボードよりストロークが深いのか、なかなかしっかりとした打鍵感があります。押下圧も40~45gはありそうな感じ。音は静かですね。メカニカル好きには物足りないかもしれません。好きな人は好きって感じかな。
デザイン面
Thinkpad定番の松花堂弁当カラーでカッコいいです。Lenovoの刻印は控えめなのがありがたい。薄っぺらくて軽いのもいいところ。指紋等はつきにくい材質だと思います。
良い点
トラックポイントは慣れれば最高
まあやっぱりこれでしょう。これが目的で買うようなキーボードですから。慣れればホームポジションを離れることなくマウス操作ができるます。ただ少し気になる点もあったので、それは後の「いまいちな点」で書きます。
親指ALTが押しやすい
キー配列を見ていただければ分かると思いますが、通常の英語キーボードよりスペースキーが短いです。スペースキーが「X」の半分、「,」の半分にまで侵食しているものが多い中、このキーボードは「C」「M」と両端が揃っています。つまり、親指で左右のALTキーが押しやすいです。
親指でALTが押しやすいというのは、結構ポイントが高いです。例えばMacなら親指でCommandキーを押すと思うので、WindowsでもALTキー併用のショートカットを多様したくなるはず。私は左ALT+hjklでカーソル移動(Vimmer)というふうにカスタマイズしてますので、親指ALTの押しやすさはものすごく重要なポイントだったりします。
というわけでここはかなりのプラスポイント。(日本語キーボードの場合はもともとスペースキーが短いので気にならないでしょう)
コンパクトながらファンクションキーがある
84キーなので当然といえば当然なんですが。マウス付きで軽量でかつファンクションキーがあるモデルってのは多分これ一択だと思います。ファンクションキーって、なんだかんだでショートカットなんか多用するので物理的に存在している方が便利です。またファンクションキーに1列使ってる恩恵で、Home/End/Deleteなど、コンパクトキーボードではFnキー同時押しになってしまうようなキーもすべて存在しております。
いまいちな点
トラックポイントの解像度がしょぼい
ラップトップ備え付けのトラックポイントよりも、マウスカーソル移動の解像度が低いです(要ははカーソルの動きが荒いということ)。同じトラックポイントなのに一体なぜ・・・? ここは少し残念な点でした。まあ使えることは使えるので気にしない人にとっては減点でないかもしれません。
スクロールがやりにくい
Thinkpadでのマウススクロールは、中央ボタンを押しながらカーソルを上下に動かすのですが、ラップトップ本体よりも、このキーボードの方が少々やりづらく感じました。よく見ると、中央ボタンの形状が違うからなんですね。
まずはラップトップの中央ボタンから。
中央ボタンが少し立体的に浮き上がっているのがお分かりでしょうか? 通常、スクロール操作時は右手の親指で中央ボタンをホールドし、人差し指でトラックポイントを上下に操作することが多いと思います。この「右手の親指で中央ボタンをホールド」するのは、意外と親指の力を必要とするのですが、この立体的な形状であればそれが無理なくできるようなっています。
一方、Thinkpad トラックポイント キーボード IIの場合では。
このようにボタンがフラットになっています。ですので、親指で中央ボタンをホールドする際は真上から押し込まないといけないのです。言葉で上手く伝わるか微妙なんですが、これが結構辛いんです・・・。よくスクロール中に親指のホールドが外れてしまい、マウスカーソルだけが上下にびゅい~んと動いてしまうというミス操作が頻発してしまいます。
なんでフラットにしちゃったのかなあ・・・
カーソルキーをよく押し間違える
カーソルキーを押したつもりがPageUp/PageDownを押していた、って誤操作がよくあります。慣れの問題かもしれませんが、形状的にどうしても間違ってしまう・・・
これ自体はよくある配列なんですが、キーの上端を揃えて下端が揃えていないのでブラインドタッチだとしょっちゅう以下のような間違いをしてしまいます。
- 左(←)押したと思ったらPgUpだったわ!
- 右(→)押したと思ったらPgDnだったわ!
これは本当に慣れの問題かもしれませんが、自分は慣れませんでした。ホームポジションから右手をカーソルキー付近に持っていく場合って、導線的には『中心から右下』になるじゃないですか。だから右手がPgUp/PgDnで止まっちゃうんですよね。どうしても、もう一段下まで行ってくれない。
逆に、下から上に右手を動かしてカーソルキーを探すタイプの人にとっては気にならないかもしれません。
Winキー系のショートカットが効かない場合がある
Windowsキーを併用するショートカットが効かない場合があります。製品不具合なのか、公式フォーラムのissueにも上がっています。
上記は「Win+Shift+→」が効かねーという内容です。これはマルチディスプレイ時に、カレントウインドウを右のモニターに移動させるショートカットキーなのですが、試してみたところ確かに効かないです・・・。あとは「Ctrl+Win+→」で右の仮想デスクトップを表示する、というショートカットもありますが、これも効かないです。ただ不思議なことに←だと効いたりするので、まあ何らかの不具合でしょうね・・・。
私の場合は仮想デスクトップの切り替えを多用していたので、仕方ないから「Ctrl+Win+PgUp/PgDn」に同等のショートカットを割り当てて凌いでいました。
いずれファームウェアのアップデート等でなんとかなるかもしれませんし、なんともならないかもしれません。
どうせ使わない機能キーが多い
ファンクションキーに割り当てられた特殊な機能キーのことです。ボリュームアップ/ダウンとか。使うやつは使いますが、こんなもん要らんやろというのが多い気がします。
使いそうなのは「ボリューム調整」「明るさ調整」ぐらいじゃないですか? マイクやネットワーク、Bluetoothなんかをキーボードからオン/オフする必要性ってあるんですかね? あとお気に入りのアプリ登録する「☆」キーなんて、ホントに誰か使ってます??意味があるとは思えない・・・
そんなもの入れるんだったら、まず入れてほしいのが「メディアキー」です。再生/一時停止、次の曲、前の曲、のキーです。最近はリモートワークで音楽聴きながら仕事する人も多いと思うし、そっちのほうがよっぽど有用だと思うんだけどな。
あるいは「☆」キーのようなユーザー定義のショートカットキーをもっと増やすとか。そのほうがよっぽどマシだと思いました。
Fnキーの位置
一番左下にFnキーがありますけど、個人的にはここはCtrlキーの方がありがたいです。じゃあFnキーどこに持っていくのってことになりますが、右Ctrlキーってあまり使われない(と思う)ので、ここでいいんじゃね?と思います。「四隅は無限の空間」とか(たぶん)言ったりしますが、その一番推しやすい4分の1をFnキーに使ってしまうのは勿体ないと思います。コンパクトキーボードならまだしも、84キーですよ? もっと不便な位置に追いやってしまえばいいんです。
まとめ
というわけでまとめです。
- トラックポイントは慣れれば最高だが、スクロールはちょっとやりづらい
- 親指ALTが押しやすいく、ショートカット多用者にとっては嬉しい
- カーソルキーの押し間違いが多発
- Winとカーソルキー併用のショートカットで不具合あり
- ファンクションキー関係は微妙
- でも、軽くてカッコいい
といった感じです。比較的辛口レビューでしたが、住めば都、慣れれば天国的な機種だと思います。何かのご参考になればと。
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