EPOMAKER GK68X

メカニカルキーボード EPOMAKER GK68X 俺々レビュー


中華製(台湾?)メカニカルキーボードEPOMAKER GK68Xの私的レビューです。スペースバーが3分割できるモデルで、専用ソフトウェアでキーマップをカスタマイズできるという点に期待して購入しました。プログラマーなので、主にそっち目線で書いてるレビューです。

EPOMAKER GK68Xのスペック

  • 68キー・英語配列
  • USB接続モデル
  • Gateron赤軸(ホットスワップ可)
  • PBTキーキャップ
  • Mac/Win/Android/iOS
  • スペースバーを3つのスペースバーに分割可

🔗 EPOMAKER GK68X/GK68XS

👍 良かった点

PBTキーキャップが良い

PBTとはHHKBのように少しザラついた感じの素材です。95$(約1万円)という高級キーボードの中ではリーズナブルなお値段の割にPBTを使用しているというのは珍しいと思います。通常この価格帯ではABSが多いです。触感はもちろんですが、キーキャップの素材はタイピング音にも影響を与えるようで、PBTは「カタカタ・コトコト」系の少し大人っぽい音がします。対してABSは「カチャカチャ」とした、いかにもメカニカルといった感じで少しやんちゃな音かな。

ABSは長年使用してくると表面がテカってくる感がありますが、PBTはあまり劣化しないと思います。手垢もつかないし。というわけでキーキャップに関してはとても良かったと思いますね。

ちなみに、キーキャップ素材とプロファイルに関しては以下のサイトがとても参考になりました。

🔗 キーキャップの素材と形状まとめ – Sansan Builders Blog

3つのスペースバーが良い

スペースバーx3に取り替えることができる

おそらくこのキーボードの一番の特徴かと思いますが、スペースバーを3つのスペースバーに取り替えることができます。初期状態ではスペースバー1つなのですが、交換用のキーキャップ・スイッチが付いてきますので自分で交換することができます。なお小さめのプラスドライバー必須。

3つのスペースバーに割り当てるキーも専用ソフトで自由にカスタマイズできます。私は真ん中のスペースバーのみスペースとして機能するようにして、両サイドのスペースバーはそれぞれレイヤー切り替えキーとして使用しています。普段左手でスペースを押していたので慣れるのが大変なんですが・・・。

両サイドのスペースバーにLayer2/3の切替(Temp Layer Switch)を割り当てるの図

ちなみにレイヤー切り替えは押しっぱなしのときだけ発動してくれて、押してそのまま離すと普通のスペースキーとして機能するのでとても便利。いわゆるワンショットモディファイヤの挙動ですね。ただしkeyupでスペースが発動するので素早い入力には不向きです。通常のスペースキーを押しましょう。

私の場合はレイヤー2でVimやEmacsのキーマップを割り当てているのですが、これがめちゃくちゃ便利! いつなんどきもhjklでカーソル移動できるのはすこぶる快適なり。

日本語IMEのオン/オフもスペースバー2つ押しで切り替えられるようにしています(全角半角キーは割り当てられないので Ctrl+` を送ればいい)。またマクロ呼び出しも登録できるので、複雑なキー入力もボタン一つで呼び出すことができます。こういうのはゲーマーに受けが良いのかな?私は凝ったマクロは使用しなかったですが、Emacsの(Macもあり)Ctrl+K『行末まで削除』を高頻度で使用するので、こちらをマクロに登録しています。SHIFT+END→DELETE みたいな感じですね。

右ALTの隣のFNキーだけは変更できないようですが、このキーを押しているときのレイヤーも設定変更できます。かなり何でもできるなという感じです。設定はキーボード自体に書き込まれるので、一度設定してしまえばどんなデバイスでも同じキーマップで使用できます。とにかく弄り倒したい人向けの製品だと思います。

👎 悪かった点

キーの形状(プロファイル)がしっくりこない

キーキャップの形状をプロファイルといいます。このプロファイルの呼称はメーカー独自のものが多いのですが、このEPOMAKER GK68Xは独自のGSAというプロファイルを採用しています。プロファイルについても先程掲載したリンク先に説明があります。

🔗 キーキャップの素材と形状まとめ – Sansan Builders Blog

このGSAというプロファイルですが、一言でいうとフラットなキー傾斜といった感じです。例えばHHKBの場合は「シリンドリカルステップスカルプチャ」といって全てのキートップが中央を向くようになっていますが、GK68Xの場合は下の画像のようにすべてフラットなキー形状となっています。

癖がないといえば癖がないのか。以前FILCOのMajestouch Minila-R Convertibleを使用していたのですが、感覚的にはそれに近い印象です。長年HHKBを使用してきたという慣れの問題かもしれませんが、私は手首が沈んじゃう感じがして、どうも馴染むことができませんでした。というわけでここは減点。

配色がダサい

個人的な趣味の問題かも知れませんが、配色はダサいと思います。特にこの赤が。なんか毒々しい赤なのでやたら目に付きます。そもそも黒+赤というコテコテな配色がもう古臭い気がして。キーキャップ買い換えれば済むんでしょうが、GSAプロファイルというものがこのメーカー独自っぽいので、ぴったりくるものを見つけるのは難しそう。。

光らせるともっとダサいYO!

RGBバックライトを光らせるとなお一層ダサいです。あくまで個人の主観ですが。

タイプ感がいまいち

Gateronの赤軸を選択したのですが、これがあんまりしっくりこないです。最初はスコスコ感があって気に入っていたのですが、使用すればするほど「なんか違うな―」となってきてしまいました。PBT+赤軸だから?なのか、底打ち感がすごいです。ある程度キーが戻ってくる感じが欲しいのですが、それがあまり感じられません。あと押下圧が45gのはずですが、なんだかもっと軽いような?? Keychron K6のLK Optical赤軸40gも持ってるのですが、そちらのほうが押下圧が大きく感じます。

長時間タイプしていると指が痺れてくる感じがして、どうも自分には合いませんでした。FILCO Majestouch Minila-R Convertible静音赤軸と似ているかなと思います。というかこの軽さなら茶軸の方が良かったかなあ?とちょっと後悔しています・・・。あ、でも一応Hot Swappableなのでスイッチ交換はできるんですけどね。(面倒くさいからやらないけど)

USB接続のみ

GK68XはUSB接続のみなのですが、BluetoothモデルGK68XSも販売しています。じゃあそっち買えよ、って思われるかもしれませんが、カタログとレビューを見ていると、どうもBluetoothモデルが不評なんですよね。。なのでホントは無線で使いたい派なんですが、USBモデルを購入しました。そういう意味でマイナス。

接続不安定とうったえるレビューも見受けられますが、私が一番気になったのは、バッテリー容量の小ささです。1900mApしかない。Kerychronで4000あって、これでも約2周間程度で要充電になるのに、その半分以下なんて絶対しょっちゅう充電せなあかんやん。それが嫌で泣く泣くUSBモデルにしました。っていうかバッテリーじゃなくて、HHKBみたいにみんな乾電池使おうぜって個人的には思うんですけどね・・・。

Backspace(バックスペース)が遠い

これ、購入前にレビューでよく見かけてたのですが、「まーなんとかなるやろ」と思って購入しました。しかし、なんとかなりませんでした笑。バッククォート・チルダ(`~)キーが右上に付いている分1ユニット分Backspaceが遠いのですが、その1ユニットの差は結構大きいです。慣れないうちは結構な頻度で間違えてバッククォートを押してしまうと思います。1ユニット分遠くに指を伸ばすのって案外体力がいるもんです。。。特にBackspaceを小指で押す派の人にとってはすごく大変だと思います。もちろん慣れれば問題ないんでしょうが・・・。

バッククォートとBackspaceを入れ替えたほうが受けがいい気がします。そういうレビューもよく見ますし。なんだかんだで超頻繁に使うキーですから、ここは購入前によく検討することをオススメします。

マクロにバックスペースが割り当てられない?

これはちゃんと調べてないのですが、マクロでBackspaceが割り当てられません。専用ソフトでマクロを登録することができるのですが、マクロ記録中にBackspaceを押すとマクロ設定画面から前画面へと戻ってしまい、どうしても割り当てることができませんでした。そんなに重要なマクロじゃなかったので他の方法で代用できましたが、場合によっては致命的?かも。まあなんか方法があるかもしれませんけど。ごめんなさい、ちゃんと調べてません。

✒️ 総評

  • 独自キーマップをカスタマイズしたい人にはオススメ
  • 軸はよく検討して!
  • 3スペースやバックスペースの位置など慣れを要する
  • 添い遂げられるなら最高の一品になり得るかも
  • でも普通の人にはあんまオススメしない

といった感じでしょうか。万人受けはしないが特定のカスタマイズ派に支持される、といった変態機的な位置付けでしょう。気になった方は購入してみてはいかが? 送料無料の95$ポッキリでっせ。割引クーポンは・・・持ってません。

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