システムエンジニア的 質問の仕方の良し悪し


『他人に質問する』という行動は、人間なら誰しも頻繁に行っているはずですが、これほどスキルに左右されるものはないんじゃないかと思います。仕事中に後輩から質問されることも多いかと思いますが、質問の仕方だけで「お、こいつデキるな」とか分かっちゃいますもんね。いわゆる『コミュニケーション能力』というやつの中でも、質問スキルはその中核を担う存在なんじゃないでしょうか。

とはいえ、確立された質問方法というのはなかなか無いようで、現に先輩が後輩に対して、腕組みながら「お前さあ〜。人に質問するときはさ〜・・・」と講釈を垂れる内容ひとつとっても、個人差があるようです。これは全くもって私個人の感覚なんですが、眼鏡をかけた理屈っぽいセンター分けの人ほど、次のような教えを説く傾向があるような気がします。

「質問するときはさ〜、今みたいにイキナリ聞きたい事から喋り出すんじゃなくて、まずは背景から説明しないと。」

はたして、本当にそうなんでしょうか??

背景の説明が必要なのは分かりますが、質問を受けている人にとっては、道中ずっと核心が何かを気にしながら聞かないとダメなので、とても非効率に思えるんです。

後輩「実は今、○○管理画面を実装中なんですが、そこでユーザー毎の××のデータが必要になるので、それ取得しようとなんたらかんたら・・・」

先輩(え〜と、○○管理画面を実装中で、ユーザー毎の××のデータが必要で、なんたらかんたら・・・。で、コイツ、何が聞きたいんだろ?)

後輩「・・・で、質問なんですが、△△テーブルに対し、AキーとBキーで取得しにいけばいいんでスかね?」

先輩(質問は・・・△△テーブルに対し、AキーとBキーで取得しにいけばいいかで、、背景は、どんなだったっけ? 確か○○管理画面?の実装中で・・・)

すっごく非効率だと思いません? 英語の長文問題で、タイトルを最後に見るようなもんです。

だから私は聞きたい核心を最初に質問し、その後背景を説明するようにしています。ひょっとしたら一瞬キョトンとされるかもしれないけど、本当に聞きたかった答えを、スムーズに聞き出せる場合が多いです。

後輩「××データを取得するとき、△△テーブルに対し、AキーとBキーで取得しにいけばいいですか? 実は今、○○管理画面を・・・」

先輩(あ〜、あの△△テーブルに対する質問だな。ふむふむ、○○管理画面を実装中で・・・)

脳ミソの中に主題がインプットされた状態から始まるので、それから後に入ってくる情報に対して、常に回答を探しつつ耳を傾けるというモードになれるのです。だから、回答をスムーズに導ける。

これは私個人の見解なので、他にもっと良い質問の仕方があるかもしれません。ただ、質問の仕方というのが、その人の知性を反映することは間違いないと思うので、ここはちょっとこだわって研究していきたいテーマではあります。